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うまい具合に、家人が出かけて夕食は要らないとのこと。
ラッキー! 何かおいしいもの食べよっと!!
ああ、それなのに主婦の浅はかさ。
ありあわせって主婦のための食事メニューでしょうか?
悲しいことにウナギ嫌い、刺身嫌い、肉しか食べたくない私目には大した料理も思いつかず、せいぜい庭の野菜を盛り合わせて
お肉を焼きましたっけ。
そうそう、これだけはゆずれない、大のチーズ好き。
とっておきのゴルゴンゾーラ。ひとりにんまりと老婆が食べる姿を想像したらぶち壊しになるでしょうね。
思えば10年前のこの日、出先の建物のテーブルの下で友人と手を取り合ってこれが最後かと思いながら過ごしていました。
バスも電車もとまりスーパーの入り口が沈下し、目前の飲み屋の階段がドスンと落ちてゆきました。
あの日からいろいろな出来事がありました。それなのにたくましく今日も文句を並べながら生きているこの強さ。
高齢者なんてレッテルを貼らないで欲しいと意気込んでいます。
それでも、一日一日を大切に生きることを教えてくれたのはほかならぬあの地震でした。
いずれは死を受け入れなくてはならないけれど、あんなに突然やってこられてもと強く思いましたよ。
まだ身支度していないし、やり残しもあるし、せめて家の中ぐらいこぎれいにして逝きたいなんて勝手な事情ですが。
あの日から私の人生は逆算の日々として過ごすように心がけをかえたのです。 隙あらば楽しいことを優先する。
意地悪は控える。嫌なことには首を突っ込まない等。
そして少しづつですが片付けをしています。
「もう、使わない」を前提に惜しげなく捨てる勇気を持つよう努めています。
あとどのくらい生きれるのかなと思うと家人にも心なしか優しく出来るし、他のすべてを許しの心で包むと真実が見えてきて怒りが湧きません。
でもあまり仏様みたいになると死期間近?なんて勘違いされるから、適当に。
それにしてもたまに一人でテレビ見るのって楽しいな!